ライブで音楽を聴くことが制限される中
新たな創作の形として編み出された
「宅録+編集」によるコラボレーション動画。
折しも、基本的人権を問う大きなうねりの中で
今までは聞かれることのなかった声
無視され続けてきた声を
改めて社会に届けようと
その可能性を試みている人たちがいます。
今日はそのうちの一つを。
さまざまな人種
多様なセクシュアリティを
背景に持つ人達が
自分を隠したり偽ったりすることなく
コミュニティの一員として
平等に敬意を払われてこそ
世界はもっと優しいものになる
それを再確認させる
カナダのMVです。
ちなみに
日本ではセクシャルマイノリティの表記を
LGBTとすることが多いようですが
カナダでは
もっと正確に言えば、少なくとも私の周りでは
LGBTTQQIP2SAA
より多くのマイノリティが含まれます。
LGBTTQQIP2SAA
Lesbian(女性同性愛者)
Gay(男性同性愛者)
Bisexual/Biroromantic(両性に対して、恋愛的感情や性的願望を抱いたりする人達。Biromanticは、恋愛的感情のみを抱く人達)
Transsexual(性転換経験者)
Transgender(心の性と体の性が一致しない人達)
Questioning(自分の性が何か、どの性の人を好きになるかが、定まっていない、あるいは敢えて定めていない人達)
Queer(セクシュアルマイノリティを包括する言葉。LやGであっても敢えてこの言葉を自分に使う人もいる。男らしさ、女らしさを超えたところで生きようとする人達を指すことも)
Intersex(生まれつき生殖系の構造に変異がある、もしくは男性・女性を特定する染色体パターンが「一般的なもの」と合致しない人達)
Pansexual/Panromantic(性別という枠組みを超えて、人を好きになったり性的願望を抱いたりする人達。Panromanticは、恋愛的感情のみを抱く人達)
2S (Two-spirit:北米の先住民に伝統的に存在し、特別な敬意を払われてきた存在。状況に応じて、複数のジェンダー役割を生きる人達)
Asexual/Aromantic(Asexualは性別に関係なく、恋愛的感情や性的願望を他者に対して抱かない人達。Aromanticは、性別に関係なく、恋愛的感情を抱かない人)
Allies(セクシュアルマイノリティに賛同し、支援する異性愛者。アライ)
LGBTTQQIP2SAA
発音するだけでも一苦労ですが
このLGBTTQQIP2SAAコミュニティの
一員である私には
こういう形で自分を名乗る必要のある人たちの
「生きにくさ」と「強さ」の両方を
いつも思い出させてくれます。
Aiza 『Show Up』
この社会で生きたければ
こうしろと言われてきたことがあっても
社会の誤解や無理解のせいで
今まで苦しい思いをしてきたとしても
あなたにはあなただけの
生き方がある
物語がある
さあ、それを生きようよ
さあ、それを語ろうよ
自分に正直になろう
あなたはただ
あなたを導いてくれるよう
自分の魂を解き放てばいい。
飛び立つ羽でも持っているかのように
これだけ伸びやかに
歌にして言われると
なんだかすっと
いろいろ手放して
自分の魂に
身を委ねてみてもいい気がします。
もちろん、そのために必要な勇気の量は
たぶん生まれ落ちた場所や
置かれた環境
自分がどういう人間なのかによって
変わってくるとは思うのですが
少なくともその勇気は
誰にでも持つことが許されているし
誰にでも行使することが許されているものだと
忘れないでいたい。
まっさらに生まれ変わって生きる。
そんな新しい一日になりますように!
*
追記:
先述の2S(Two-Spirit)。
気になる方にはこんな映画があります。
先住民の世界で
伝統的に名誉な役割を担ってきた2Sが
現代社会ではどのような困難に直面しているか。
これはトレイラーですが
短い時間でも十分にシリアスな内容ですので
心にスペースがある時に見ていただければと思います。